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洗剤のいらないスポンジ


 こびりついた油汚れ、茶渋、洗面器の石けん垢等は石けんや洗剤を使ってごしごしこすってもなかなか落ちない汚れです。ついつい洗剤を多く使ってしまいがちですが、洗剤も、石けんも排水になると環境への負荷になります。石けんがいくら生分解性が良いと言っても、必要以上に使いすぎるのは好ましくありません。
 
 最近、ホームセンターなどで「水だけで洗える」スポンジなどが目に付きます。確かに、水だけで洗えるなら石けん、洗剤による環境への負荷も小さくてすみ、かつ経済的です。そこで、今回、そのような製品を何種類か買ってきて、実用に耐えるかを調べてみました。
 
 今回、試験に使った物は以下の通りです。
ミラクルスタークロス

何年か前に流行したアクリルウール製の製品です。
アクリルウールの繊維の中に汚れを取り込むので洗剤がいらないという説明です。
激落ちくん

ドイツ生まれの新素材。メラミンフォーム製のスポンジです。
テレビショッピングなどでも取り上げられていますが、ホームセンターでも入手できます。
ミクロスポンジ

特殊研磨粒子入りポリウレタンフォーム。
超微粒子研磨剤が洗剤なしでこびりつきやコゲ等の頑固な汚れを落とすという説明です。
素材はポリウレタン
ナイロンスポンジ

比較のため、ごく普通のナイロンスポンジを用いました。
素材はネットがナイロン、スポンジはポリウレタン

油汚れ
 ガラス板に天ぷら油を薄く塗り広げ、ドライヤーで熱してこびりつかせた後、それぞれのスポンジで水だけを使って、30秒ずつこすってみました。
使用前
使用後、左からナイロンスポンジ、アクリルクロス、メラミンフォーム、ウレタンフォーム
 
 結果は、ナイロンスポンジはやはり水だけではうっすらと油の膜が残ります、アクリルクロスは全体にきれいに落ちています、メラミンフォームも予想外にきれいに落ちています、ウレタンフォームはナイロンよりはましですがやはり油膜は残っていました。
 評価は 1.アクリルクロス 2.メラミンフォーム 3.ウレタンフォーム 4.ナイロンスポンジ でした。
 
油のこびりつき
 普段、揚げ物に使っている鍋の蓋を洗ってみました。鍋の周りには、茶色のになった油のこびりつきがあります。
右上ナイロンスポンジ、右下アクリルクロス、左下メラミンフォーム、左上ウレタンフォーム
 
 ちょっと写真ではわかりにくいですが、ナイロンスポンジはぜんぜん汚れは落ちませんでした。研磨剤入りのウレタンフォームもこびりついた油は落ちませんでした。アクリルクロスはこびりつきにも強く、よく落ちています、しかし結構ごしごし擦らなければ落ちませんでした。一番よく落ちたのはメラミンフォームでした、水を付けて軽く擦るだけで、こびりついた油もすぐに落ちました。
 
 さて、次にこの鍋の表を、アクリルクロスとメラミンフォームで擦ってみました。表面は薄い油の膜が一面にこびりついていて、なかなかきびしそうです。
左がメラミンフォーム、右がアクリルクロス
 
 さすがのアクリルクロスもこのような汚れはきびしかったようです。しかし、メラミンフォームは写真のように水で軽く擦るだけでぴかぴかになりました。恐るべし、新素材!!
 メラミンは給食の食器にも使われている堅いプラスチックです。メラミンフォームはこの素材を発泡させてスポンジ状にしたものですが、スポンジ状の繊維が堅いので油汚れをしっかりとつかまえて、擦り落とすのでしょう。
 風呂桶などに付いた石けん垢は洗剤を付けて一生懸命に擦ってもなかなか落ちませんが、このメラミンフォームを使うと、水だけで簡単に落とすことが出来ました、これはカルチャーショック。洗面所のタイルもぴかぴかになりました。ただし、このメラミンフォームは自分自身も消しゴムのように削れて、だんだん小さくなります。消耗品と考えた方がいいようです。
 
まとめ
 今回使ったスポンジでは、軽い油汚れなどに日常的に使うにはアクリルクロスが実用的です。石けん、洗剤なし、又は少量で済みます。ただし、油べったりの食器を洗うと、クロスが油で汚れて、他の食器にも油が移りました。油汚れは、あらかじめトイレットペーパー、ウエスなどで拭き取ってから洗うようにしたほうがよさそうです。
アクリルクロスは、汚れたら洗うことで繰り返し使えます。
 頑固な油汚れにはメラミンフォームが絶大な力を示しました。水だけで簡単に油汚れを落とせるのは驚異的です。ぜひ、1つは常備しておきたい製品です。
 研磨剤入りのウレタンフォームは期待はずれでした。いつものナイロンスポンジは、まあ、こんなもんでしょう。